MOVP・MOVL命令の使い方

IAIのSEL言語を使って軸の移動を行う命令です。
XSELやMSELで使用することができます。

  • MOVP:指定したポジションへPTP移動(補間なし)
  • → X軸・Y軸が同じ速度で移動します。X軸とY軸で移動距離が異なる場合は各軸で動作完了タイミングが異なります。PTPとはPoint to Pointの略であり、補間なしで軸が移動するという意味です。
  • MOVL:指定したポジションへXY軸が補間しながら移動
    → XY軸の先端が指定した速度となるように補間しながら移動します。X軸とY軸で移動距離が異なる場合も各軸の動作が同時に完了します。

命令の記入方法

SEL言語構造のCmndにMOVPを入力し、Operand1にポジションNoを記入します。Operand2は入力禁止です。MOVP命令によって操作1で指定したポジションNoのポイントへ移動します。MOVL命令も同様の書き方となります。

拡張条件入力条件命令操作1操作2出力部
EN,CndCmndOperand1Operand2Pst
MOVPポジションNo禁止CC
MOVLポジションNo禁止PE
スポンサーリンク

MOVP命令のサンプルプログラム

表1がプログラム,表2はプログラムで利用するポジションデータです。
プログラムで速度VEL,加速度ACC,減速度DCLを入力する必要はありません。

拡張条件入力条件命令操作1操作2出力部コメント
EN,CndCmndOperand1Operand2PstComment
MOVP2ポジションNo2のポイントへ移動
(X:650 mm,Y:325 mm)
(速度:100 mm/s)
(加速度:0.3G)
(減速度:0.3G)
表1 ポジションNo2へ移動するサンプルプログラム
表2 XSEL用パソコン対応ソフトのポジションデータの中身

MOVP命令の操作1に変数を入力することもできます。アスタリスクを記入することで変数の中身を参照することができます。LET命令の操作1は変数、操作2は数値です。
以下の様にプログラム上でも速度VEL,加速度ACC,減速度DCLを記入することができます。しかし優先順位はポジションデータに入力されている数値の方が高いです。プログラムで速度を指定する場合はポジションデータの速度欄を空欄にしておきましょう。

拡張条件入力条件命令操作1操作2出力部コメント
EN,CndCmndOperand1Operand2PstComment
ACC0.3加速度を0.3Gに指定
VEL300速度を300 mm/sに指定
LET56変数5に数値6を代入
MOVP*5ポジションNo6のポイントへ移動