【PLC】イサーネットとイサーネットIPの違い

PLCラダー回路の基礎

EtherNetとEtherNet/IP。この2つの言葉はたまに聞くけどよくわからない。
そんな人にわかりやすく両者の違いを説明します。

両者の違いは規格にある

説明すると、EtherNetはハード,EtherNet/IPはソフトの規格です。
EtherNetというハードを使ってEtherNet/IPというソフトを動かすといったイメージがわかりやすいと思います。

たまにLANケーブルを使った通信をEtherNetという人がいますが厳密には正しくありません。
LANケーブル=EtherNetであり、EtherNetを使った通信はTCP/IPです。

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EtherNetとは

よくパソコンについているLANポートとそれに接続するコネクタがありますよね。
これがEtherNetです。コネクタの形状と通信速度の規格ですね。

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EtherNet/IPとは

産業用ネットワークの通信規格です。
通信コマンドを意識しない設計になっており、誰でも簡単にデータのやりとりできる規格となっています。ユーザーは送信側と受信側のメモリアドレスを割付けておくだけでよく、後は設定したタイミングでデータの送受信が行われます。
イメージ的には、メモリの共有といった方がわかりやすいですね。

例えばEtherNet/IPで

  • ・自工程側のメモリでDM100から6バイト
  • ・相手側のメモリでDM1200から6バイト

の割付を行ったとします。

割付けを行ったメモリアドレス間のデータを転送することでデータの送受信を行うことができます。

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通信は大きく分けて2種類あり状況によってユーザーが使い分けることができます。

  • ・サイクリック通信:定期的にデータを送受信
  • ・メッセージ通信:任意のタイミングでデータを送受信

産業用ネットワークだとサイクリック通信を使うことが多いですね。
常にデータを送受信しているため、ユーザーが送信、受信のコマンドを使う必要がないといった利点があります。
また、リアルタイムな情報が欲しい用途に適しており、例えばセンサーの状態を常時モニタリングする用途で活用することが多いです。
一方、定期的にデータを送受信するためネットワークへの負荷が高いといったデメリットもあります。ネットワークの帯域やデータの優先度を考慮して、RPI(通信周期)を設定してネットワークの負荷に合わせた調整を行いましょう。

メッセージ通信は必要なタイミングのみデータを送受信するためネットワークへの負荷が少ないです。定期性の必要がない、例えば設定値の読み書きといったような装置立ち上げ時のみ通信すればいいような用途で使用されます。