前職と転職先の違いをつらつらと書いていく

豊田自動織機

・なくなったもの
1. 階段で手すりを使用することの強制
2. 交差点での指差呼称
3. なにかと頼りになった同期たち
4. 社員証で支払いできる食堂
5. 出張事前申請の提出

・得られたもの
1. HDの低スぺノートから、WQHDの高性能SSDデスクトップになった
2. 設備調整用ノートパソコンが、共用から自分専用Let’s noteになった
3. 専用のPHSをもらえた

・劣化したもの
1. 始業前と就業前の15分、計30分は就業時間にカウントされない
2. 打刻機がないのでサービス残業ができる。

・生産設備についての違い
1. 安全に対する考え方がぬるい。
手動モードなら扉が開いていてもサーボONする。セーフティリレーユニットも基本的につけない。ロックアウトも当然存在しない
2. 設備標準が実質ない。
設備メーカーが自分の好きな機器を選定できる。工場内のPLCや操作盤も統一感がない。同じライン内でCC-LinkとEtherNet/IPが混在している。これは生産技術の実力不足に起因する。確認図をチェックできる能力を持った人もほとんどいないだろう。
3. サーボのポイント座標データをPLCに保存しているためティーチングペンダントを使わない。
通常。IAIなどのアクチュエータはPLCからコントローラにポイント番号を送ることでコントローラ内に記憶されているポイントの座標へと移動する。一方、ここではPLC本体に全てのポイント座標を保存していた。つまり、コントローラのポイント1の座標を毎回上書きして使っているのである。この仕組みは画期的だと思った。操作盤に各ポイントの座標データと速度データを表示できて便利だし、さらにPLCでフルバックアップを取ることでポイント座標のバックアップもとれる。いちいちティーチングペンダントをつなぐ必要ない。

まとめ

私にとって、業務用パソコンのスペックアップは相当にでかかった。前職では起動に5分かかるパソコンをみんなが使っていた。14インチHD液晶で図面を書いている人もいた。超非効率的だがみんな違和感をもっていなかった。工場の設備調整用PCも数が足りなく奪い合いになっていた。直間に設備改造しようと思ってもパソコンがなく断念することもザラだった。半分以上の調整用パソコンは10年前以上のもので起動に5分~10分かかり、その結果ライン定時時間を長くしてしまうこともよくあった。ラインが停止するコストを考えれば、パソコン代など一瞬でペイできるのにパソコンの更新は拒否される。本当につらかった。

転職してから4カ月経つが、今のところ総じて満足である。雑用を若手に丸投げする風習がないのがでかい。豊田自動織機はこの点では最悪だった。これは体質の問題と声を大にして言いたい!共和工場も刈谷工場も「若手=部品発注担当+ワーク配送担当」的なところがあり下積みを強制させる。正直、これらの仕事は派遣社員を雇ってやらせるべきだ。正社員がやる仕事じゃない。上司から見て、正社員の方が使いやすいのは理解できる。正社員の若手は必死になって働くし派遣社員と違って辞めない。仕事の指示が適当でもマンパワーで解決してくれる。「やっといて~」と言っておけばよい。
でも、若手の将来を考えたときにそれってどうなの?上司は後10年逃げ切ればよいかもしれないが、私は後30年働かなければならない。上司の時代は自動車生産が右肩上がりだった。しかしEVの大頭によりこれから愛知の自動車関係メーカーは凋落の一途をたどる。若手にとって、将来甘い汁を吸えない会社に依存するという選択肢は選び難いのである。